介護保険制度に思う

介護保険改正

限られた人生の中、老いるということは、全身の心身の機能が徐々に衰えていくことです。
「瓶のふたが開けられない」
「重いものが持てなくなった」
「足腰が思うように動かないので、物が片付けられない」などなど……常に健康に不安を感じながらの生活を余儀なくされています。

今日、ますます少子化が進む核家族化によって「一人暮らしや高齢者世帯のみ」が増えています。特に都会では地域との関わりが薄く、高齢者の閉じこもりで孤独化、孤立化が進むでしょう。

かかる環境の中で、今回の介護保険の改正は重度者への支援はさることながら、軽度者への生活援助(家事)の時間短縮は、利用者にとって厳しいものがあります。ヘルパーの仕事も、短時間単位の作業となるため「あれもこれも」と同時に手掛けなければならず、利用者のとコミュニケーションの時間も少なくなり、心身の変化状況を把握する時間もないということが指摘されています。事業所にとっても、生活援助の改正は減収にもつながると危惧されています。

問題山積みの社会情勢の中でも、高齢者にとって本来必要な日常生活のサービスが得られるということは「老後は安心」「終わりよければすべてよし」につながります。
この思想が若い世代にもしっかりと受け継がれていけば、この介護保険制度は、社会全体の最優先課題としてクローズアップされて行くだろうと確信してます。