馬をパートナーとした活動
新緑の季節。風もさわやか。外での活動が心地よい。馬も人も快適に過ごせ、活動できる季節に、太平洋の向こうから、ホースセラピーの世界では第一線で活躍されている、メアリー先生とヴィッキー先生を、ハローヒポにお迎えしました。
ハローヒポでは、2003年以来毎年のようにホースセラピーが盛んな欧米より講師をお招きし、クリニックや講習会を開催してきました。中でも、メアリー先生には2004年以来、ヴィッキー先生には2006年以来、繰り返し来訪いただき、馬、ライダー、スタッフの向上にお力添えをいただいています。おかげで、ハローヒポの活動が今のように発展し、乗馬後進国の日本でも、欧米に引けを取らない効果的で進歩的な活動ができるようになってきました。
メアリー先生がハローヒポに訪れる度に、話題に上がる男の子がいます。初めてメアリー先生がハローヒポに訪れた際に、クリニックを受けに来た当時小学生だったD君です。目も合わない、支持も聞けない、一時もじっとせずにあちこち走りまわって、手当たり次第に道具や物を触ってひっくり返したり、放り投げたりしている。メアリー先生の「彼は、馬に乗るのは好きですか?」の質問に、お母さんは「馬の上だけはじっとしているんです」と・・・。お母さんが目を離さなくてはならないときはどうしているのか尋ねると「いすに縛り付けておくんです」「眠る時はお互いの手をひもでつないで寝ています」と・・・。
そんな彼が、メアリー先生から指導のアドバイスを受け馬の力を借りて、繰り返しレッスンを重ねるうちに、次第に目が合い、指示が聞け、座ってじっとしていられるようになり、中学校を卒業するころまでには、買い物や外食、海外旅行まで楽しめるようになりました。馬がD君の人生だけでなく、家族の人生までも助けた素晴らしい例です。
ハローヒポを利用される方には様々な方がいます。ポニーと楽しく遊びたい方。馬に乗り問題となる行動や、身体面の改善や向上を期待する方。乗馬技術を身につけたい方。ただただ、リフレッシュしたい方。それぞれの楽しみ方で、それぞれのペースで、それぞれの目的で、それを尊重してプログラムの提供を心掛けていますが、先生方のクリニックを繰り返し受講され、乗馬の活動を続けてきた方達の向上と進歩には目を見張るものがあります。
先生方の今年の来日は5月22日から6月1日まで。その間に、さまざまプログラムを行います。27日(火)には、ゆきわりそうの1室で、ホースセラピーの可能性や効果についてのお話をしていただき、はらっぱ公園でホースセラピーの体験会も行いました。30日(金)から1日(日)までは、ハローヒポでクリニックと講習会も行いました。
記 黒田 朋子