不戦賛歌は世界の平和のために
これは、ベートーヴェン第九全曲による舞台劇です。
障害者を中心とし、世界にもいままでになく人々の悲しみ苦しみを背に背負います。
演じるのは社会福祉法人「地球郷」に集う知的障害を持つ「みつばちブンブン」の人々です。
世界中に広がる戦争をやめよう!
戦争は多くの障害者を生みます。
一生を、心も身体も豊かに生きることは出来ないものだろうか?
290年前に作曲されたベートーヴェンの第九の全楽章に合わせて、「全ての人々よ、兄弟になろう」と世界の平和を呼び掛けます。
「不戦賛歌」は、悲しみ、恐れ、そして明るい未来の地球を表現する無言劇となり、平和のために全力を傾けて訴えていきます。
記 姥山 寛代
彼らは障害を持つ故に、狭められた心=身体を身体表現を通して拓くことを目的におこなわれている「イメージトレーニング教室」のメンバーです。
身体表現による創造活動で表現力を身につけた人間は、現実を生きる心=身体となって還ってきます。
表現の強さや深さは上手とか巧さではなく、今ここにどれだけ存在する強さと深さを持って在るかを表現することです。
第九は今の世を謳歌する歌ではありません。
第九は、あしたに歓びを謳える願いをこめた音楽であり、不戦賛歌も、そして私達の願いも同じ地平に立っています。
記 三浦 弘之
第一幕、舞台の上で、戦争によって苦しみ悶える姿が演じられるところから始まる不戦賛歌を最期まで観ると、息が詰まるような真に迫る気持ちが強く湧いてきます。
そのような体験をすることで、戦争への恐怖から平和を願うメッセージが、真実であるという経験を、舞台、客席の区別なく共有することが出来るのではないかと思います。このことは、戦争の恐ろしさを忘れかけた時代に大事なことだと、僕は思います。
さらに、今回から初めて第九の生演奏と合わせて共演していくことになりました。
「皆よ、兄弟となろう!」という第九のメッセージと合わせ新たな高みを目指します。この強い趣旨に賛同し支えてくれる方々と、障害を持つメンバーが社会に呼びかけ、発信することは、周りを輝かす、意義深い活動だと思います。
新しい「不戦賛歌」に是非、ご理解とご支援の程宜しくお願い致します。
記 南 恵三