ひみつひみつの旅~山の巻~報告(前編)

ひみつひみつの旅~山の巻~報告 前編

■この夏も、発達プログラム「レンガの家」全14グループ、総勢135名のメンバーが「ひみつひみつの旅~山の巻~」に参加しました。

ワクワクドキドキで集まる参加メンバーたち。
そして、それ以上に緊張した面持ちで公園に集まるたくさんのボランティアさんと「はじめまして!」のご挨拶。
スタッフにとっても、それからご家族の皆さんにとっても、待ちに待った合宿のスタートです。
元気一杯「行ってきま~す」と早速車に乗り込み、妙義山の麓、ゆきわりそう群馬山荘「小さな家一号館」へ、いざ出発です。

楽しかった夏の思い出と、群馬での多彩なプログラムの一部を、前後編の2回連載にて報告いたします。


■「ひみつひみつの旅~山の巻~」前編

◎川遊び◎
山荘の近くを流れる碓氷川。上流の方は、水もキレイで冷たくて、足はヒンヤリ良い気持ち。車椅子のメンバーも、川原におりて遊べるスポットがあるのです。
水が大好き~なのは、大人も子どももみんな一緒。全員水着を着用して、本気で水かけっこ。
冷たいのは最初だけ?ちょっとよろけてお尻がついて……。全身水浸しになってしまえば、あとはその仲間を増やすのみ。
吊り橋や雄大な山々をバックに、自然と戯れ仲間と遊ぶ。テレビもゲームも一切不要。解放感溢れる至福のひと時です。もちろん、楽しく遊ぶために、事前に下見に行き、さらに川の様子は役所の担当に情報を頂きました。当日の早朝(メンバーが起きる前に)も川の様子を見に行くなど、メンバーの安全確保には配慮します。また、熱中症、そして天候、特に最近の異常気象にはスタッフ一同留意しました。

◎ポニー「ふれあい」プログラム◎
山荘に隣接する障害者乗馬施設「ハローヒポ」の、かわいいポニー達にとっても、この夏の暑さは厳しかったようです。メンバーとのプログラムは、朝夕の涼しい時間帯に行いました。まずはブラッシング。
きれいになったポニーのリードを持って、さぁ一緒に歩いてくれるかな!?
順番待ちのメンバーは、友達と手と手を合わせてアーチを作ります。アーチをポニーの引き馬が通っていきます。一通りお散歩の練習が終わると、チーム対抗引き馬レース「だるまさんがころんだ」をポニーさんと一緒に行います。
最初はただただ怖くて近づけなかったメンバーが馬場の中に入れるようになり、ポニーに触れる様になり、ブラッシングも1人で出来るようになります。1年に1回の出逢い(プログラム)ですから、何年かかっても良いのです。
「ポニーって、温かいんだ」
「優しいんだ」
最後は、一緒に遊んでくれたポニーに、ご褒美のニンジンを与えて鼻の上をナデナデします。
「ありがとう」の気持ちが、ちゃんと伝わります!ポニー達も、嬉しそう。グループによっては、ポニーとお散歩へ。
道ですれ違う人、車ですれ違う人、それから民家の方々も窓から珍しそうに眺めています。
車椅子のメンバーがポニーを連れてお散歩してる!まるで映画やテレビや絵本の世界。都会では見られない光景ですね……。
ポニーにまた合いたいな!

◎山歩き◎
上り坂、下り坂、自然にできあがった階段。木道に石畳に砂利道。
「次はどこに足を出そうかな?」と足場の悪い道は歩くだけでも楽しい「頑張れプログラム」です。
補装された遊歩道は、思ったよりも長い距離を歩けちゃったりして……。周りを自然に囲まれていれば、車が入って来れないからいつもは緊張してつないでいる手を離してみても、全然大丈夫。
湖をグルッと一周したり、見上げる程の大きな滝に到着したり。仙ヶ滝では、滝の裏側まで歩けます。夏を忘れさせてくれるくらい、とにかく涼しい。頑張って歩いたご褒美にマイナスイオンをたっぷり浴びて、足どり軽く、帰路につきます。いつか、お父さんお母さんも連れて行ってあげたいな~◎温泉◎外遊びのプログラムを終えると、メンバーもスタッフも汗びっしょり。川遊びで冷えた身体にも温泉は最高です。山荘周辺には、車で10~30分も走れば日帰り天然温泉施設がたくさんあります。合宿中は、毎日違う温泉へ行きます。しかもどこも露天風呂付き!
優しいおじさんやおばさんが待っていてくれて、明るくメンバーに声をかけてくれます。みんなも「しっかりご挨拶」を合言葉に入退場。メンバーが大好きな広いお風呂や露天風呂は時に貸切温泉に……。すると、そこはゆきわりそう専用プールに変身。他のお客様がいらっしゃると、ちゃんと「今、やっていいの~?」と、アイコンタクトで確認してくれるメンバーたち。もちろんダメ!なのですが、これも立派な成長ですよね。

レンガの家「2010年ひみつひみつの旅~山の巻~」報告/前編
(記:北原勢)

ひみつひみつの旅~山の巻~報告(後編)