ふりかえれば
2006年12月24日
詩歌 姥山 寛代
2006年 第19回ミュージックパーティ「新成人に贈る 詩歌」
いろんな事がありました
涙や笑いはまざりあって
この20年 私の胸のうちは
いつも波打っていました
言語の障害
バランス感覚の障害
多動
状況にあわない笑顔と奇声
効果的な治療方法はありません
あるとすればフィジカルセラピー
必要な機器でトレーニングすること等ですね
お医者さんから言われることも
家族で話し合うことも空しくて
ありのままの様子を全受容することしかありません
ああ 何と長かったこの20年
高く高く舞い上がる感性に
君はよろこびなのか
悲しみなのか わめいているのか
笑っているのか 泣いているのか
目をあわせるのも
手を握るのも
抱きしめるのも
君の心を掴むのはむつかしかった
君はだれ?
君はどうしたの?
何を考えているの?
何をして欲しいの?
悲しかった
淋しかった
自分の無力さに
地だんをふんで涙を流し眠れぬ夜も
今日20才
目をあわせても
手をつないでも
一緒になって笑えるね
それができるようになった君
たくさんの人に助けてもらったね
わが家族も苦悩を乗り越えて
おいしいおつけものみたいになりました
パクパクとかみしめながら
ほっとして 嬉しくて
ああ 涙がこぼれてしまう
天にむかって
両手をあげて
地に伏して 頭(こうべ)を垂れて
私は感謝の祈りを捧げます