「よっちゃん家」より
別れは突然、嵐のようにやってきました。
昨日まで、さっきまで、その人は明るく笑っていました。
太陽のように暖かく、強く、凛としたお母さんでした。
悲しみが波のように押し寄せてきます。
時が止まって、心にぽっかりと穴があいてしまいました。
昨年末、私たちは二つの悲しい別れを経験しました。
一人は前号で報告したS君のお母さん。強く毅然と病と向き合い、S君の自立を願いながら天国に旅立たれました。S君はお通夜にもお葬式にも、自分で参列すると決めて、お母さんに最後のお別れをしました。教会中にS君の悲しい泣き声が響きました。
そして、それから1か月ほどたったある日、突然の知らせが飛び込んできました。Yさんのお母さんが倒れて、今Yさんが一人で家にいるという知らせでした。慌ててレッツゴーの車でYさん宅へ。そこには泣きながら迎えを待っているYさんがいました。
とりあえず、ゆきわりそうに行こう。よっちゃん家でお父さんの知らせを待とう。Yさんは泣きながらお母さんが倒れた時のことを話してくれました。お父さんが戻るまでの2時間、どうすることも出来ずにお母さんの足をさすっていたそうです。どれだけ長い時間と感じたことでしょう。それから数日経ってYさんのお母さんも旅立たれました。お通夜の時もお葬式の時もYさんはお母さんにずっと寄り添い、お父さんを気遣って気丈に振舞っていました。とても立派でした。
今、二人はよっちゃん家で生活しています。
大切な人が突然目の前からいなくなる悲しみは、どれほど時がたっても癒えないでしょう。それでも二人のお母さんが望んでいた通り、日を追うごとに二人とも大きく逞しく成長しています。
これから二人にどんな未来が待っているのでしょう。きっとお母さんが空から見ているよ。
一緒に歩いて行こう!
杉俣 亜希子/短期入所 管理者