理念の背景

ゆきわりそう基本理念「活動の4本の柱」

1.全ての枠をでき得る限り外す
2.障がい者や高齢者を生活者として視る
3.小集団構成で活動を進める
4.公的保障で生きていけるシステム作り

■ゆきわりそうの諸活動・事業の実践の根底には、「活動の4本の柱」があります。これはゆきわりそうの設立準備の期間、1987年2月から6月までの間に、運営委員会で検討され決定したものです。
当初は(1)年齢、障がいの有無や程度、性別、国籍、利用期間等利用上の制限や枠を可能な限り取り払うこと。(2)障がい者や高齢者等利用者を、現在の社会に生きる生活者としてみる視点を持ち守ること。(3)小集団(理想的には7~8人)でのグループワークを基本とし、限界(およそ15人程度)を超えたら小集団に分けること。(4)障がい者や高齢者だから「無料で」とか「より安く」ということを優先、結果として「貧困な環境でもやむなし」とするのではなく、逆に、障がいがあるからこそより良い環境が必要であり、そのための資金は惜しまないと考えること。そのことを実現するため、すべての事業を有料で行うこと。というものでした。

■ こうした基本理念ともいえる考え方は、(2)の障がい者や高齢者を現在の社会に生きる生活者としてみる視点を持ち守ること、に包含されるとも言えますが、今日、社会福祉の主潮流となっているノーマライゼーション理念、在宅福祉の方向、グループホーム指向等々は「活動の四本の柱」とも合致し、ゆきわりそうの活動の先駆性を示していると考えます。

■ 現在の「四本の柱」は、様々な要求にこたえた事業・活動の中で蓄積された経験や体験を経て、より簡潔な表現に改められ、第4項は(4)「年金で暮らし、公的介護保障で生きられるシステムづくりをめざす」に進化しています。

■ ゆきわりそうは設立以来、「この利用者にとって、今、何が必要か」を起点に、ひとつひとつの活動や事業を生み出し、着実に育て上げてきた背景には、全職員が充分とは言えない処遇にもかかわらず、共通の理解と目的を持って団結してきたからだと確信しています。

■ その根底にはいつも「活動の四本の柱」が存在していたことを、深いところで是非認識し、今後の活動にも忘れることなく生かし続けて頂きたいと、強く願っています。


ゆきわりそう30年のあゆみ
地域福祉研究会ゆきわりそうのあゆみ